要介護認定の申請が行われ、申請書類の不備がなければ判定に移ります。
要介護認定の判定は、一次判定と二次判定の2段階で行われます。
【このページでわかること】
それでは、順番に紹介していきますね。
なお、要介護認定の申請から結果通知までの詳しい内容は、「要介護認定の流れ」で紹介しているので、よければご参照ください。
【一次判定は全国共通様式】
どの自治体でも同じ判定基準で公平に要介護認定が行うことができます。
一次判定は、要介護認定調査と主治医の意見書の結果を参考にして、コンピューターが「要介護認定等基準時間」を客観的に分析します。
コンピューター分析の結果は、決まった基準で要介護度の7段階と非該当(自立)に振り分けられます。
二次判定は、一次判定の結果を参考にして、介護認定審査会によって行われます。
一次判定と二次判定で出た結果は、申請から30日以内に介護保険サービスの利用希望者に通知されます。
要介護認定調査を行う人は、介護認定調査員とよばれます。
介護認定調査員は、利用希望者の自宅や入院先の病院に訪問して調査を行います。
入院先の病院に訪問した場合、担当の病棟看護師が調査内容を追加で話すことがあります。
介護認定更新の場合は、介護支援専門員が認定員として調査をすることもできます。
要介護認定調査では、概況調査・基本調査・特記事項の3項目を調査します。
主治医の意見書には、利用希望者の疾患や症状・治療、心身の状態などが記載されます。
要介護認定の申請を行う時に、かかりつけ医の主治医に相談するとよいでしょう。
「あの先生は主治医と呼べるのかな?」と悩むこともあると思います。
【定期的に通院していなくても意見書の記載を依頼する】
【申請書の主治医名を空欄にすると】
反対に、「誰が主治医なのかわからないな」と悩む人もいるでしょう。
この場合、利用希望者の全体像を把握している医師や付き合いが長い医師に意見書の記載を依頼するとよいでしょう。
要介護認定調査で調査する要介護認定等基準時間は、「どれくらい介護の手間がかかるのか」を表した時間であり、厚生労働省が設定しています。
要介護認定等基準時間は、3つの合計時間です。
特別な医療や認知症ケアが行われていない場合は、加算なしの日常生活の5分野のみで計算します。
この時間が長いほど、要介護度が重くなります。
区分 | 要介護認定等基準時間 |
---|---|
非該当 | 25分未満 |
要支援1 | 25分以上32分未満 |
要支援2・要介護1 | 32分以上50分未満 |
要介護2 | 50分以上70分未満 |
要介護3 | 70分以上90分未満 |
要介護4 | 90分以上110分未満 |
要介護5 | 110分以上 |
合計8項目の内容にかかる時間の合計が要介護認定等基準時間になります。
内容 | 時間 | ||
---|---|---|---|
直接生活介助 | 食事 | 1.1 分~71.4 分 | |
排泄 | 0.2 分~28.0 分 | ||
移動 | 0.4 分~21.4 分 | ||
清潔保持 | 1.2 分~24.3 分 | ||
間接生活介助 | 洗濯、掃除などの家事援助 | 0.4 分~11.3 分 | |
BPSD 関連行為 | 徘徊や不潔行為の後始末など | 5.8 分~21.2 分 | |
機能訓練関連行為 | 歩行や日常生活の機能訓練など | 0.5 分~15.4 分 | |
医療関連行為 | 診療の補助 | 1.0 分~37.2 分 |
特別な医療が行われている場合は、日常生活の5分野の時間に加算されます。
区分 | 項目 | 時間 |
---|---|---|
処置内容 | 点滴管理 | 8.5 |
中心静脈栄養 | 8.5 | |
透析 | 8.5 | |
ストーマ処置 | 3.8 | |
酸素療法 | 0.8 | |
人工呼吸器 | 4.5 | |
気管切開処置 | 5.6 | |
疼痛看護 | 2.1 | |
経管栄養 | 9.1 | |
特別な対応 | モニター測定 | 3.6 |
褥瘡処置 | 4.0 | |
カテーテル | 8.2 |
認知症ケアが行われている場合は、日常生活の5分野の時間に加算されます。
介護認定審査会は、市町村の附属機関として設置されます。
複数の市区町村が共同で設置することもできます。
介護認定審査会では、一次判定の結果(要介護認定調査と主治医の意見書)を参考にして、要介護度を公平に審査・判定します。
【介護認定審査会のメンバーと任期】
【学識経験者の職業】
いかがでしたか。
要介護認定の判定は、一次判定と二次判定の2段階で行われます。
一次判定で使用する書式は、全国共通様式なので、どの自治体でも同じ判定基準で公平に要介護認定が行うことができます。
【要介護認定の一次判定と二次判定まとめ】