「訪問看護を受けたい、利用したい」と思ったとき、どこに相談するかご存じですか?
「知ってるよ」と即答できる方、すばらしいです。
「知らないな、自信ないな」と思っている方、大丈夫です!
私自身、訪問看護ステーションで働く前はちゃんと知りませんでした。
強いて言えば、ことばだけ聞いたことがあるくらいかなって感じです。
病院で働いていたときは、在宅につなげる必要がある患者さんは、MSWに相談という名の丸投げをしていました。
実際に訪問看護ステーションで働きはじめてから、いろんなところから訪問看護の依頼が来ることを知りました。
相談したから訪問看護を絶対受けなければならない。というわけではありません。
また、どの相談先で相談しても、すぐに訪問看護が開始になるわけではありませんのでご注意ください。
【このページでわかること】
それでは、具体的に紹介していきますね。
まずお伝えしたいことが、「どこで相談しても大丈夫!」ということです。
相談先や相談相手がいないと、悩みや不安がどんどん大きくなります。
本人だけでなく家族も同じです。
自分ひとりで抱え込まず、相談というか、まずは人に話を聞いてもらうことから始めることが大切です。
【主な相談先】
地域包括支援センターは、地域で暮らす高齢者の介護・医療・保健・福祉などの相談窓口です。
介護サービスや医療サービス、保健福祉サービス、日常生活支援などの相談を受けたり、多職種と連携して問題解決のお手伝いを行います。
保健師や経験のある看護師、社会福祉士、主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)が所属しています。
その地域に住む高齢者が無料で利用することができます。
ただし、高齢者と相談したい方(家族など)が離れて暮らす場合は、高齢者が住む地域の地域包括支援センターに相談する必要があります。
詳しい内容については、「地域包括支援センター」のページで紹介しているので、ご参照ください。
居宅介護支援事業所は、介護保険や介護全般の相談、介護認定の申請や更新の手続き代行、ケアプランの作成、多職種との連携などを行います。
介護の専門家である介護支援専門員(ケアマネジャー)が所属しています。
無料で相談することができます。
介護の悩みであれば、居宅介護支援事業所に相談するとよいでしょう。
ここまでの話を聞いて、「地域包括支援センターと居宅介護支援事業所って、似ていてややこしいな。どっちがいいのかわからないな。」と思っている方。
まずは相談することが大切なので、相談先はどっちでも大丈夫です。
広範囲の悩みであれば地域包括支援センター、介護の悩みであれば居宅介護支援事業所に相談するとよいでしょう。
【相談内容】
【対象者】
今まで困りごとがなかった人が、病気やけがで入院して治療を受けて退院が決まっても、自宅で今までと同じ生活を送ることが難しくなるケースがあります。
つまり、退院後に看護や介護などのサービスが早急に必要になるケースです。
地域包括支援センターや介護支援事業所に相談することも可能ですが、本人は入院中なので、家族だけが相談することになります。
退院後にどのような治療やリハビリが必要なのか、どのようなサービスが必要なのか、家族だけで状況をうまく説明することが難しく、負担に感じることもあるでしょう。
また、間違った情報を認識して伝えてしまう可能性もあります。
そのため、入院中は病院の相談窓口が頼りになります。
【病院の相談窓口の名前例】
人員配置の統一基準がないため、病院ごとにスタッフ数や配置が違い、他の業務と並行して行うところもあります。
【相談窓口のスタッフ】
スタッフは、事前に主治医や病棟看護師と情報共有を行ってから、入院中に本人や家族と面談し、退院後に必要なサービスの紹介や調整を行います。
ちなみに、もともと介護サービスを利用している人は、入院中に担当の介護支援専門員が面会に来ます。
どちらのケースでも、退院後に新しくサービスを利用する・追加する場合は、「退院前カンファレンス」を開催し、利用者や家族に関わる多職種が集まって情報共有を行うことが理想です。
MSWは、メディカルソーシャルワーカーや医療ソーシャルワーカーと呼ばれ、医療機関で働く社会福祉士をいいます。
MSWは、入院中の患者や家族が抱える悩みや不安が少しでも少なくなるように、必要なサービスの紹介や多職種との連携を行います。
相談内容は、退院後の生活支援や社会復帰支援・医療費など、利用できる制度や金銭面などさまざまです。
なお、精神科病院では、精神に特化した精神保健福祉士(PSW)の取得が必要になります。
市区町村の役所や役場には、介護・福祉などの相談や介護申請の窓口が必ずあります。
【窓口の名前例】
総合窓口(受付)で部署名を確認してから相談窓口に行くとよいでしょう。
かかりつけ医である主治医や近所の訪問看護ステーションに相談するのもよいでしょう。
なかには、「忙しいのに先生にこんなことを相談してもいいのかな」と思って、相談を迷われる方もいらっしゃるかと思います。
しかし、「前より少し調子が悪くなっている」「つまづきやすくなっている」などの「少しの違和感」は、自宅での様子がわかったり、病気が隠れていたりすることもあります。
主治医にとっても、病気を発見するきっかけになることがあるため、気になることはなるべく相談することをおすすめします。
近所の訪問看護ステーションでも相談を受けつけています。
訪問中で対応が難しい場合もありますが、困っていることに対してこんなサービスがあります。と紹介できる可能性があります。
なお、訪問看護サービスはケアプランの内容に沿ってサービスが提供されるため、「訪問看護を受けたいからすぐに契約してサービス開始」というわけにはいきません。
介護支援専門員がケアプランを作成し、会議や契約を経て初めて訪問看護が開始になります。
いかがでしたか。
「訪問看護を受けたい、利用したい」と思ったとき、いろんな相談先がありますね。
【いろんな相談先の例】
ただし、どの相談先で相談しても、すぐに訪問看護が開始になるわけではありませんのでご注意ください。