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訪問看護師が妊娠すると働き方はどうなる?

私の場合、訪問看護ステーションで働いている中で、第1子の妊娠がわかりました。

今回は、訪問看護師の妊娠について私の体験談を伝えていきます。

結論から言うと、「あらかじめ妊娠したときの対応を確認しておくことがベスト」です。

なお、私が体験したマタニティハラスメントについては、こちらのページをご参照ください。

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病院看護師と訪問看護師の環境の違い

まず、看護師の勤務先で一番多い病院看護師と訪問看護師の環境の違いについて説明していきます。

病院看護師と訪問看護師の一番の環境の違いは、「周囲のサポートがすぐに受けることができるかどうか」だと思います。

病院看護師は、働く場所が外来や病棟です。

体調が悪くなった場合でも、すぐ休憩できる場所があり、スタッフも近くにいるのでサポートを受けやすい環境にあります。

しかし訪問看護師は、主な働く場所が利用者さんの自宅になります。

利用者さんの自宅で体調が悪くなった場合、すぐ休憩できる場所はありません。

訪問するのも自分1人になるので、近くにスタッフもいません。

そのため、病院看護師と比べて訪問看護師の働く環境は、肉体的にも精神的にもストレスがかかりやすいのではと思います。

周囲への報告

当初妊娠の報告は、上司には産婦人科での心拍確認後、同僚や利用者さんには安定期に入ってからしようと思っていましたが、早めの報告になりました。

上司への報告

市販の妊娠検査薬で陽性の判定が出たのが12月だったので、年末年始の休みまでには1度産婦人科に受診したいと思い、上司に急な勤務調整をお願いしました。

勤務調整の理由を聞かれ、「病院に受診したいので」と少し濁して言うと、『どこか悪いの?もしかして妊娠した?』というやり取りをしました。

上司には、結果的に産婦人科受診前の報告になりました。

同僚への報告

多少の眠気やだるさといったつわりはありましたが、仕事を休む程重い症状はありませんでした。

しかし、「何かあったときなど、周りのサポートが必要だから」という上司の判断で、同僚には、産婦人科での心拍確認後に報告しました。

利用者さんへの報告

私が担当する利用者さんやよく訪問する利用者さんには、安定期に入った妊娠5か月目(16週以降)で報告しました。

訪問看護師としていつまで働くことができる?

さて本題ですが、産婦人科で妊娠が確定した後、次に気になったことが「訪問看護師としていつまで働くことができるんだろう?」ということです。

私が所属する訪問看護ステーションでは、電動自転車に乗って1人で訪問します。

そこで課題になるだろうと考えたのが、「自転車」と「仕事内容」です。

まず『訪問看護師 妊娠 働き方』でインターネット検索をしてみました。

訪問する手段として、公共交通機関や徒歩で訪問する「自転車を使用しないケース」と「そのまま自転車を使用するケース」がありました。

仕事の内容として、体位交換や移乗などの「腹圧がかかりやすい仕事は免除」や「ステーション内での事務仕事を手伝う」などがありました。

つまり、「訪問看護ステーションではこうあるべき」という特別な決まりごとはなく、それぞれのステーションによって対応がバラバラであるものの、産休まで働き続けるケースが多いようでした。

ちなみに、訪問看護の団体である『日本訪問看護財団』のホームページにも、妊娠したスタッフへの対応マニュアルなどは特に記載がありませんでした。

訪問看護師で産休まで働き続けることは難しい?

私が所属する訪問看護ステーションは、スタッフが10人、利用者さんが100人程の決して大きいとはいえない規模です。

ステーションには、既婚者やお子さんのいるスタッフは所属していますが、在籍中に妊娠したスタッフは過去にはおらず、私が第1号となりました。

また、就業規則にも、スタッフが妊娠した場合の対応などの項目はありませんでした。

そのため、どのように働くことがベストであるのかを、周囲と相談しながら模索する必要がありました。

産婦人科医師の意見

自転車の使用について、産婦人科医師に相談すると、『自転車は転倒リスクが高くなるから妊娠6か月目(20週)以降には控えたほうがいいでしょう』とのことでした。

お腹が大きくなってくると重心が変わってバランスが取りにくくなるので、転倒リスクが高まります。

第1子のため、どれくらいバランスが取りにくくなるのか経験がないのでわからず、妊娠6か月以降でもなんとなく自転車を乗れるんじゃないかと思っていました。

しかし、医師から『お腹の赤ちゃんを守れるのはお母さんだけ』と言われ、何か起こってからでは遅いと思い直しました。

上司の意見

産婦人科医師の意見を踏まえて、上司に働き方について相談しました。

上司や同僚にとっても初めての経験で、戸惑っている感じがあり、マタハラの発言も受けました。

出した答えは時短勤務と職場の異動

まず、満員電車での通勤であったため、時差出勤できるように朝の時短勤務を申請しました。

時短勤務により、訪問件数は減りましたが、会議や勉強会がある日は、通常の時間に出勤して参加するようにしました。

そして、訪問看護では自転車の使用と仕事内容の制限があるので、妊娠6か月以降は徒歩での訪問や事務仕事の補助などを上司に提案しました。

上司からの返事は「スタッフの数が少ないからできない」とのことでした。

そのため、訪問看護ステーションでの継続は断念し、妊娠6か月以降は同じ系列のデイサービスへ異動しました。

デイサービスでは、利用者さんの送迎や入浴介助などの力仕事は、介護福祉士さんが行うことになっていたため、無理なく産休まで仕事を続けることができました。

あらかじめ妊娠したときの対応を確認しておくことがベスト

入職した当初は、結婚や妊娠はまだまだと思っていたので、ステーションの対応は特に気にしておらず、確認もしていませんでした。

しかし、妊娠してみると、私自身と周囲のスタッフともに、不安なことやわからないことが多くありました。

そのため、入職前の面接時に、予定はなくても妊娠したときのステーションの対応をあらかじめ確認しておくことが大切だと思います。

お腹の赤ちゃんを守ることができるのは、自分自身だけなので、決して無理をしない方法を選択することが大切です。

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訪問看護師をやっています。 訪問看護に興味を持つ看護師の方・看護学生の方 訪問看護のあれこれを知ってもらい、役立ててもらえたら嬉しいです。

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