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法律や制度

訪問看護に関わる制度や法律の確立

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現在の訪問看護に関わる制度や法律ができるまでには、さまざまな歴史があり、さまざまな取り組みが行われてきました(「訪問看護の歴史」参照)。

時代によって新たな問題や課題が生まれ、その時代に合わせた取り組みが行われてきました。

そして必要な制度や法律は、その都度制定・改正を繰り返し、少しずつ確立されていきました。

このページでは、訪問看護に関わる制度や法律の確立について説明していきます。

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老人保健法の制定

自治体や医療機関などの訪問看護活動がきっかけとなって、1982年に老人保健法が制定されました。

老人保健法は、訪問看護にとって、法的・報酬的に評価を得る初めての法律となりました。

老人保健法は、制定後も以下の変更・追加・一部改定などが行われていきました。

1983年、市町村は保健師などによる訪問指導(保健事業)を開始し、病院は訪問看護として「退院患者継続看護・指導料」を創設しました。

この退院患者継続看護・指導料は、老人診療報酬のことをいい、高齢者への訪問看護の報酬が初めて算定可能となりました。

1984年、退院患者継続看護・指導料は、「寝たきり老人訪問看護・指導料」へ名称変更しました。

1986年、「精神科訪問看護・指導料」が新設され、精神科患者への訪問看護の報酬が算定可能となりました。

1988年、「在宅患者訪問看護・指導料」が新設され、年齢を問わずに訪問看護の報酬が初めて算定可能となりました。

このように、1980年代は病院による訪問看護が開始され、訪問看護の対象者も少しずつ増えていきました。

なお、老人保健法は、医療制度改革に伴って、2008年に「高齢者の医療の確保に関する法律」に改正・名称変更されました。

訪問看護ステーションの設置

病院による訪問看護が少しずつ普及すると、1991年、医療法の改正によって「居宅が医療提供の場所」として法的に位置づけられました。

また同じ年、老人保健法の一部改正によって、「指定老人訪問看護制度」が開始になりました。

1992年、老人保健法の一部改正によって、高齢者を対象とした、老人訪問看護ステーションからの訪問看護(指定老人訪問看護)が開始になりました。

1994年、健康保健法の一部改正が行われ、高齢者以外の在宅療養者も対象とした、訪問看護ステーションからの訪問看護(指定訪問看護)が開始になりました。

このように、1990年代前半では、居宅(在宅)が医療提供の場所として法的に位置づけられ、訪問看護ステーションからの訪問看護が開始されました。

介護保険制度の制定と開始

訪問看護ステーションからの訪問看護が少しずつ普及すると、1997年、介護保険制度が制定されました。

2000年、介護保険制度が開始となって、要介護者を対象とした「指定訪問看護」が開始になりました。

また、ケアプランを作成する介護支援専門員(ケアマネジャー)が、制度上に位置づけられました。

以後、定期的に介護保険制度の一部改正を行っています。

2006年、要支援者を対象とした「指定介護予防訪問看護」と、医療・介護ニーズを持つ要介護者を対象した看護と介護の一体的な通所サービスである「療養通所介護」が開始になりました。

2011年、「介護サービスの基盤強化のための介護保険等の一部を改正する法律」が制定されました。

2012年、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」と「複合型サービス(2015年:小規模多機能型居宅介護へ名称変更)」を開始になりました。

また、この時に「地域包括ケアシステム」という考え方が生まれました。

現在も多職種と連携をとりながら、地域包括ケアシステムの推進がすすめられています。

その他の制度の制定

訪問看護に関わる制度は、介護保険制度以外にもあります。

1987年、「精神衛生法(1950年制定)」から「精神保健法」へ改正・名称変更され、任意入院の創設などが行われました。

1995年、精神保健法は、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)に改正・名称変更され、自立や社会参加の促進・社会復帰などの項目が追加されました。

2000年、「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」が施行され、これに合わせて「児童福祉法(1947年制定)」も一部改正が行われました。

児童福祉法と児童虐待防止法は、現在も定期的に一部改正が行われています。

2005年、「障害者自立支援法」が制定され、精神障害のある人も支援の対象になりました。

同じ年、「高齢者虐待防止法」が制定されました。

2008年、生活習慣病の予防のために、健康保険法などで「特定健診・特定保健指導」が開始になりました。

2010年、障害者自立支援法が改正され、発達障害の人も支援の対象であることが明確化されました。

2011年、「障害者基本法(1970年制定)」が改正されました。

2012年、障害者自立支援法の改正・名称変更によって、「障害者総合支援法」が制定され、難病等の疾患のある人も支援の対象になりました。

同じ年、「障害者虐待防止法」が施行され、認知症対策として「オレンジプラン(認知症施策推進5か年計画)」が策定されました。

2014年、「精神保健福祉法」が改正され、保護者制度の廃止や医療保護入院の見直しなどが行われました。

2015年、「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」が施行されました。

同じ年、オレンジプランが改正され、「新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)」が策定されました。

対象によって関わる法律がいろいろ

訪問看護をはじめとする医療サービスを利用する対象者は、高齢者が多くを占めますが、高齢者以外にもさまざまな疾患や障害を持っています。

高齢者は、「介護保険制度」に基づいて、介護保険を使用して訪問看護サービスを受けるケースが多いです。

小児は、「児童福祉法」に基づいて、医療保険を使用しています。

精神障害のある人は、「精神保健福祉法」に基づいて、医療保険を使用しています。

疾患の程度によっては、主治医の判断で介護保険を使用している場合もあります。

難病等の疾患のある人は、「難病法」に基づいて、医療保険を使用しています。

「障害者総合支援法」はさまざまな障害のある人を対象にして関わっています。

訪問看護師は、訪問看護の対象によってさまざまな法律が関わっていることを理解して、利用者が必要なサービスを受けることができるようにサポートする必要があります。

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