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訪問看護事業所の種類

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訪問看護事業所は、訪問看護を提供する施設のことをいいます。

「施設?事業所?なんか堅苦しいな」

「訪問看護ステーションっていえばいいんじゃない?」

と思う方もいらっしゃるかと思います。

確かに、訪問看護事業所=訪問看護ステーションです。

しかし、訪問看護事業所には3種類あり、訪問看護ステーションはそのうちの1つなのです。

そして、各訪問看護事業所には、それぞれの特徴があります。

【このページでわかること】

  • 訪問看護事業所の設置数の変化
  • 訪問看護ステーションの特徴、人員配置基準とスタッフ
  • 病院・診療所の特徴、人員配置基準とスタッフ
  • 保険適用外の訪問看護ステーションの特徴
  • 複数の訪問看護事業所の利用方法

それでは、具体的に紹介していきますね。

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訪問看護事業所の設置数の変化

まず、訪問看護ステーションと病院・診療所の設置数が、どのように変化していったのかをみていきますね。

介護保険制度が制定された翌年の2001年では、訪問看護ステーションと病院・診療所の数に大きな差はありませんでした。

しかし、2020年の設置数をみると訪問看護ステーションは2001年の倍以上の数に増えているのに対し、病院・診療所は2001年の半分以下に減っています。

なお、全体の訪問看護事業所数は年々増えています↓

訪問看護ステーション病院・診療所合計(か所)
2001年7月4.6143.6428.631
2020年1月10.7731.46112.254

ちなみに、訪問リハビリテーションの設置数も同じように増えています↓

訪問看護リハビリテーション(か所)
2001年7月1.876
2020年5月4.807

詳しい内容については、こちらのページも合わせてどうぞ。

厚生労働省:介護給付費等実態統計(旧:介護給付費等実態調査)2001年

厚生労働省:介護給付費等実態統計(旧:介護給付費等実態調査)2020年

病院・診療所が減っている理由

訪問看護事業所の設置数は年々増えていますが、内訳をみると増えているのは訪問看護ステーションのみです。

それではなぜ、訪問看護ステーションは増え、病院・診療所は減っているのでしょうか。

病院・診療所の訪問看護が減っている最大の理由は、訪問看護ステーションより診療報酬と介護報酬が低く設定されているからです。

つまり、訪問看護ステーションと同じサービスを提供しても訪問看護ステーションより収入が低くなってしまうのです。

その結果、病院・診療所のみなし指定から訪問看護ステーションへ移行する事業所が増え、訪問看護ステーションの数が増えているのです。

3種類の訪問看護事業所

訪問看護事業所は、大きくわけて3種類あり、それぞれ特徴が違います。

  • 訪問看護ステーション
  • 病院・診療所
  • 保険適用外の訪問看護ステーション
介護保険・医療保険制度使用利用者の選択人員配置基準
訪問看護ステーション〇、自己負担1~3割常勤換算職員数2.5人以上
病院・診療所〇、自己負担1~3割適当数
保険適用外の訪問看護ステーション✕、全額自己負担適当数

詳しい内容については、以下で紹介していきますね。

訪問看護ステーション

訪問看護ステーションは、年々設置数が増え、一番事業所数が多いタイプです。

訪問看護ステーションが訪問看護を提供する場合、まず都道府県知事から介護保険法による訪問看護事業の指定を受けます。

この指定は、「介護保険の事業者」としてサービスを提供するために必要になります(介護保険法による訪問看護事業の指定を受ける)。

そして、この指定を受けた時点で、健康保険法による訪問看護事業の指定を受けたものとみなされ、「医療保険の事業者」としてサービスを提供することができるようになります。

つまり、訪問看護ステーションでは、「介護保険」の事業者として指定を受けると、自動的に「医療保険」の事業者としても指定を受け、サービスを提供することができるのです。

利用者は選べる

利用者は、訪問看護ステーションを選ぶことができます。

また、病院・診療所関係なくどの医師も主治医となって、指示(訪問看護指示書)を出すことができます。

訪問看護ステーションの人員配置基準とスタッフ

訪問看護ステーションの人員配置基準は、「常勤換算職員数で最低2.5人以上の保健師、正看護師または准看護師」になります。

病院・診療所と比べ、開設のハードルが高くなっています。

訪問看護ステーションでは、「単独訪問看護の提供が可能な職種」と「看護師等と同行して複数名で訪問が可能な職種」にわかれています。

単独訪問看護の提供が可能な職種】

  • 看護師・准看護師・保健師
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士
  • 助産師(医療保険のみ可能)

【看護師等と同行して複数名で訪問が可能な職種】

  • 看護補助者(特別な資格不要)
  • 精神保健福祉士(医療保険のみ可能)

看護補助者は、訪問看護ステーションに雇用されているスタッフなので、介護福祉士などの特別な資格は不要で事務職員でも可能です。

看護師等が看護補助者と同行する場合は、どのようなケアを行うか、手順や注意点などの情報共有を十分に行う必要があります。

スタッフの職種について、詳しい内容を知りたい方は「訪問看護を提供するスタッフ」のページもご参照ください。

病院・診療所

病院・診療所は、以前は多いタイプでしたが、年々減っています。

病院・診療所が訪問看護を提供する場合、まず健康保険法の保険医療機関の指定を受けることによって、介護保険法の指定があったものとみなされます(みなし指定)。

保険医療機関とは、「厚生労働大臣の指定を受け、健康保険で診療を受けられる病院・診療所」となっています。

この保健医療機関の指定は、ほとんどの病院・診療所が開設する時にもともと指定を受けています。

つまり病院・診療所は、訪問看護ステーションと違って、特別な申請をすることなく手軽に訪問看護の提供を始めることができるのです。

訪問看護が開始になった当初、病院・診療所での訪問看護が多かったのは、この手軽さが理由だったのです。

利用者は選べない

利用者は、病院・診療所を選ぶことができません。

また、病院・診療所に所属する医師が主治医となって、利用者はその病院・診療所に受診や入院をしている患者(利用者)に限定されます。

病院・診療所の人員配置基準とスタッフ

病院・診療所の人員配置基準は、「適当数」となっています。

究極のところ、看護師1人でも診療補助の空き時間などを利用して訪問看護を行うことができるのです。

この点からも、訪問看護ステーションより開設のハードルが低いことがわかります。

病院・診療所では、「訪問看護の提供が可能な職種」と「訪問リハビリテーションの提供が可能な職種」にわかれています。

訪問看護の提供が可能な職種】

  • 看護師・准看護師・保健師
  • 精神保健福祉士
  • 助産師(医療保険のみ可能)

訪問リハビリテーションの提供が可能な職種】

  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士

ここで注意したいのが、訪問看護ステーションと病院・診療所では、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の提供についての規定が違うことです。

【理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の提供の規定の違い】

  • 訪問看護ステーション:単独訪問看護の提供が可能
  • 病院・診療所:訪問リハビリテーションの提供が可能=訪問看護の提供は許可されていない

単独で訪問看護を提供することができるのは、訪問看護ステーションなのです。

保険適用外の訪問看護ステーション

保険適用外の訪問看護ステーションは、一番事業所数が少ない新しいタイプであり、「自費」訪問看護ステーションとも呼ばれています。

保険適用外の訪問看護ステーションは、保険適用の訪問看護(訪問看護ステーションや病院・診療所)では行うことが難しいサービスの提供が可能であることが大きな特徴です。

そのため、保険適用の訪問看護と併用して、必要な時だけ利用するケースが多いです。

【サービス例】

  • 「デパートで買い物がしたいが不安があるため看護師に付き添ってほしい」
  • 「吸引が必要な利用者が孫の結婚式に参加するため看護師に付き添ってほしい」など

訪問看護ステーションより、もっと細かく利用者や家族の要望に対応することができます。

ただし、訪問看護の料金だけでなく、看護師の交通費や宿泊費、食事代などの料金も、一般的にすべて利用者負担であることが多いです。

なお、訪問看護指示書や訪問看護記録など、訪問看護に必要な書類は、保険適用の訪問看護と同じように必要です。

保険適用外の訪問看護は、文字通り「保険が適用されない」ので、利用者が支払う料金は「10割負担」つまり全額利用者の自己負担となり、利用料金が高くなることが一般的です。

利用者や家族と契約する際やサービス提供時は、対応できるサービス内容などと一緒に利用料金についても細かく説明し、承諾を得ることが大切です。

【メリット】

  • 必要なときだけ利用することができる
  • 利用者や家族の細かい要望や希望に対応することができる

【デメリット】

  • 保険が適用されない訪問看護なので、利用者はサービス料金をすべて自己負担しなければならず、サービス料金が高額(10割負担)

複数の訪問看護事業所を利用することもできる

一般的には1か所の訪問看護事業所を利用することがほとんどですが、条件を満たせば、複数の訪問看護事業所を利用することもできます。

まず大前提にあるのは、介護保険を利用する場合でも医療保険を利用する場合でも、それぞれの訪問看護事業所が1人の主治医から訪問看護指示書の交付を受けて訪問看護サービスを提供します。

また、複数の訪問看護事業所同士で、利用者の目標やサービス内容、毎月の訪問看護計画書や報告書などの情報共有を行って、十分な連携を図る必要があります。

介護保険と医療保険では複数の訪問看護事業所利用の条件が異なるので、以下でそれぞれ説明していきます。

介護保険を利用する場合

介護保険を利用して訪問看護を利用する場合は、特に利用制限はありません。

そのため、ケアプランに組み込める範囲であれば複数の訪問看護事業所を利用することが可能です。

医療保険を利用する場合

医療保険を利用して訪問看護サービスを利用する場合は、「2か所利用」と「3か所利用」の条件に分かれています。

【2か所利用する条件】

  • 厚生労働省が定める疾病等の利用者
  • 特別管理加算の利用者
  • 特別訪問看護指示書の期間中で週4日以上の訪問看護が計画されている利用者

【3か所利用する条件】

  • 厚生労働省が定める疾病等の利用者
  • 特別管理加算の利用者
  • 特別訪問看護指示書の期間中で週7日(毎日)の訪問看護が計画されている利用者

まとめ

いかがでしたか?

今回は、訪問看護事業所の設置数の変化、それぞれの訪問看護事業所の特徴を紹介しました。

それぞれの訪問看護事業所が、特徴・強みを活かしながら、連携しながら、利用者をサポートできる地域だといいですね。

【訪問看護事業所の種類まとめ】

  • 訪問看護事業所全体の設置数は増加
  • 訪問看護ステーションと訪問リハビリテーションは増加、病院・診療所は減少
  • 訪問看護ステーションは、介護保険法の指定(医療保険はみなし指定)
  • 訪問看護ステーションの人員配置基準は常勤換算2.5人以上とハードルが高い
  • 病院・診療所は、健康保険法(医療保険)の指定(介護保険はみなし指定)
  • 保険適用外の訪問看護ステーションは、柔軟に対応できるが費用が高い
  • 複数の訪問看護事業所を利用する場合、介護保険は条件なし、医療保険は条件あり

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