訪問看護ステーションでは、だいたい1人あたり1日3~6件の訪問を行っています。
「訪問看護師はどんな1日を送っているんだろう?」
「記録や連絡はいつしているんだろう?」
こんな疑問を持っている方、いませんか?
大丈夫です。
訪問看護ステーションに転職する前、私も同じ疑問を持っていましたが、なんとかなります。
【このページでわかること】
- 一番大切なことは自分の体調管理
- 1日のタイムスケジュール
- 訪問前にやること
- 朝と夕のカンファレンス
- 昼休憩はコミュニケーションの場
- 訪問後にやること
- 訪問看護師のトイレ事情
それでは、順番に紹介していきますね。
「1件の訪問看護はこんな感じ」のページも合わせてどうぞ。
一番大切なことは自分の体調管理
訪問看護師にとって一番大切なことは、自分の体調を整えることです。
体調が悪いときは、無理せず早めに上司に相談し、訪問しない選択をすることも大切です。
【体調が悪いときに訪問するとどうなる?】
- 利用者や家族に風邪をうつすかもしれない
- 免疫力が弱い利用者の持病を悪化させるかもしれない
- 頭が働かないので、いつものケアやアセスメントができないかもしれない
体調が悪いときに無理して訪問すると、いいことは起こらないので、休みをもらってしっかり身体を休めましょう。
1日のタイムスケジュール
訪問看護師の1日のタイムスケジュールは、こんな感じです。
- 8~9時:出勤、訪問準備
- 9~12時頃:午前の訪問1~3件
- 12~13時:昼休憩、午後の訪問準備
- 13~16時頃:午後の訪問1~3件
- 16~17時:記録や連絡調整など
- 17~18時:退勤
1件の訪問看護は、「準備→移動→ケアの準備→実際のケア→後片付けと記録→指導や心配ごとの確認→次回訪問日の確認」という段取りで行います。
1日だいたい3~6件訪問するので、3~6回この繰り返しをすることになります。
訪問前にやること
まず、その日に訪問する利用者の情報収集をします。
そして、訪問バッグの中を確認し、利用者のケアに必要なものを準備します。
【情報収集のポイント】
- 訪問看護指示書の期限や内容
- 臨時で点滴指示があるとき:在宅患者訪問点滴注射指示書の期限や内容
- 訪問記録:前回の訪問ではどうだったか、変化はないか
- 訪問診療の内容:処置や薬の変更はないか
- 他サービスからの情報:訪問介護やデイサービスから気になる情報はないか
- 移動:利用者宅までの道順、所要時間
- 移動手段:車やバイクのガソリンは少なくないか、電動自転車の充電はできているか、タイヤに空気は入っているかなど
特に、臨時で点滴指示があるときは要注意です。
投与経路や投与時間などの点滴内容がわかりにくい、指示書に記載がない場合は、憶測で判断してはいけません。
必ず主治医に確認し、訪問前に新しい指示書を発行してもらい、口頭だけでなく紙面でも確認できるようにします。
朝と夕のカンファレンス
ステーションによっては、朝と夕にカンファレンスを行っています。
カンファレンスでは、重要なポイントにしぼって話し合い、スタッフ全体で情報共有をします。
短時間でポイントをしぼって話す必要があるので、優先順位をつけて必要な情報をピックアップする力がつきます。
朝のカンファレンスで話し合う内容
- 前日のオンコール内容:オンコール当番のスタッフ
- 当日の変更点やポイント:状態が悪い人、点滴開始の人がいる
- 当日の予定:サービス担当者会議、入院、退院予定、ショートステイなど
- 勉強会や会議の確認など
夕のカンファレンスで話し合う内容
スタッフ全体で、当日訪問した利用者の情報共有をします。
- 状態が悪い方向に変化している、状態があまりよくない
- 緊急で訪問診療が入った、緊急入院した
- サービス担当者会議の内容と変更点
- 退院後やショートステイ後:治療内容やADLはどうかなど
状態があまりよくないと、緊急電話(オンコール)がかかってくる可能性があります。
オンコール当番のスタッフが、スムーズに対応できるよう、ポイントをしぼって具体的に報告します。
昼休憩はコミュニケーションの場
午前中の訪問を終えると、ステーションに戻って昼休憩を取ります。
訪問で気になることがあれば、休憩中に先輩スタッフたちに相談します。
自然と利用者さんの話になっていることが多いので、その会話の中からヒントを得ることもあります。
ステーションに戻らなくてもいい?
昼の休憩時間は、ステーションに戻らなくてもいい。という決まりがあるところもあります。
「午前中の訪問が終わったらそのまま外出、外出先から午後の訪問に向かう」
- ランチは外食したい
- 自宅に戻って少し家事をしたい
自由な選択ができるのも、訪問看護師ならではの働き方かもしれません。
訪問後にやること
訪問がすべて終わると、ステーションに戻ります。
「訪問が終わったら仕事は終わり」ではないので、いくつかやることがあります。
私が行っている順番で紹介していきますね。
- まずはうがい手洗い、トイレ
- 訪問バッグの整理:使用したものの後片づけや補充
- 関係機関との情報共有:変化のある利用者について主治医やケアマネジャーなどと電話やFAX・SNSで情報共有
- その日に訪問した利用者の記録
- 訪問看護計画書や報告書:内容見直し、追加修正
- オンコール当番のスタッフ:緊急電話の操作、充電の確認、電話がかかってきそうな利用者の情報ピックアップ
特に、関係機関との情報共有は重要です。
電話してもすぐにつながるわけではありません。
主治医の指示で点滴注射が始まるケースだと、訪問看護師が緊急で点滴をしに行くかもしれません。
予定外の訪問にもすぐ対応できるように、関係機関との情報共有は、早めにすませます。
訪問看護師のトイレ事情
訪問看護は、利用者の自宅に訪問してケアを行うので、トイレに行きたくなったらすぐに行ける状況ではありません。
他の職場よりトイレに行けるタイミングが限られているので、トイレ3か条を頭に入れておきましょう。
【訪問看護師のトイレ3か条+1】
- 午前・午後の訪問前は、必ずトイレをすませてからステーションを出発すべし
- 訪問と訪問の間にトイレに行きたくなったら、ステーションに立ち寄るべし
- 利用者宅とステーションが遠いときは、公園やコンビニのトイレを借りるべし
- どうしても我慢できないときは、利用者や家族に説明してトイレを借りるべし
まとめ
いかがでしたか?
今回は、訪問看護師の1日について紹介しました。
「こんなことやっているんだな」って、なんとなくイメージできたでしょうか。
訪問看護師は1人で訪問してケアをすることがほとんどです。
「大変そうだな」
「私にはできないだろうな」と思っている方、大丈夫です。
自分自身で判断が難しいときは、管理者や先輩スタッフに相談できます。
1人で全部抱え込まなくても大丈夫です。
【訪問看護師の1日まとめ】
- 一番大切なことは自分の体調管理:体調が悪いときは思い切って休む
- 1日のタイムスケジュール
- 訪問前にやること:利用者の情報収集、持ちもの準備
- 朝と夕のカンファレンス:スタッフ間で共有すべき情報をポイントをしぼって報告
- 昼休憩はコミュニケーションの場:訪問で気になることを相談することも
- 訪問後にやること:関係機関との情報共有を優先
- 訪問看護師のトイレ事情:トイレは行けるときにいく
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